無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
***
校舎裏のベンチに座って待つこと数分。
「やー、待たせてごめんねー。もう女の子たちの囲みがすごくてねー」
服装がかなり乱れた佑都先輩が現れた。
ネクタイはないし、ブレザーのボタンもブラウスのボタンまでなくなっているところがある。
さっきの卒業式でしっかりした制服を着こなしていた先輩はどこかへ行ってしまった。
「あっ、えっと卒業おめでとうございます」
ベンチから立ち上がって、先輩のそばに寄って、ペコっとお辞儀をしながら。
「あと、いろいろとお世話になりました」
「そーだね、いろいろお世話かけられましたね」
わたしのほうを見ながら言ったかと思えば、今もベンチに仏頂面で座っている夏向にたいして。
「あれー、木咲くんからのお祝いの言葉はないのかな?」
「……おめでとーございます」
見事な棒読み…。
全然心がこもってない。