無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
わたしと夏向は友達っていうそんな簡単な関係じゃない。
確実に友達という関係なんてラインはとっくに超えている。
かといって、恋人ってわけでもない。
このおかしな関係が成り立つようになってしまったのも、元をたどればわたしが原因だったりする。
だから、あまり深く突っ込むことができない。
「俺は冬花がいいって言ってんの。早くこっち来て」
「っ……」
夏向に求められると、断ることができない自分がとてつもなく嫌い。
夏向は、わたしのことが好きではない。
ただ、さびしさを埋めてくれる都合のいい女って思っているくらいで。
自分の言ったことに、必ず従うわたしを手放したくないだけ……。
ゆっくり夏向がいるベッドに近づいていく。
夏向は相変わらず表情一つ崩さず、わたしを待っている。