無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



わたしと夏向は友達っていうそんな簡単な関係じゃない。

確実に友達という関係なんてラインはとっくに超えている。


かといって、恋人ってわけでもない。


このおかしな関係が成り立つようになってしまったのも、元をたどればわたしが原因だったりする。


だから、あまり深く突っ込むことができない。


「俺は冬花がいいって言ってんの。早くこっち来て」


「っ……」


夏向に求められると、断ることができない自分がとてつもなく嫌い。


夏向は、わたしのことが好きではない。


ただ、さびしさを埋めてくれる都合のいい女って思っているくらいで。


自分の言ったことに、必ず従うわたしを手放したくないだけ……。



ゆっくり夏向がいるベッドに近づいていく。


夏向は相変わらず表情一つ崩さず、わたしを待っている。

< 7 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop