夕闇の時計店
「ごちそうさま。行ってきます!」

「い、衣月!?待っ……」

珍しく慌てる父を置き去りにし、お弁当を持つと足早に家を出た。

好きな人の笑顔を思い浮かべて微笑む。

早く会いたいな。

幸せな気持ちに胸を踊らせて、春の空気を吸い込んだ。
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