夕闇の時計店
「だから、待っててくださいね!」

緋瀬さんは、私の好きな笑顔で頷いた。

「あぁ、待ってる」


☆☆☆☆☆

翌朝、朝のニュース番組で、人気芸能人の熱愛報道が流れていた。

恋……かぁ……。

リビングで父親の作った朝食を摂りながら、ふと、緋瀬さんの顔が浮かぶ。

……会いたいなぁ。

自然とそう思い、寂しくなった。

「…………」

やっぱり、そうだよね、うん、気づいてた。

自分は、ただ緋瀬さんと仲良くなりたいだけじゃなく、恋心を抱いている。

はっきり、言える。

緋瀬さんが、好き。

「ねぇお父さん。私、好きな人ができた」

「は!?」
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