夕闇の時計店
お茶の乗ったお盆を縁側に置いて、緋瀬さんが隣に座る。
「人の姿に戻ったんですね」
「……あぁ。まぁ、こっちが通常だ」
「そうなんですか?」
緋瀬さんは少しだけ神妙な面持ちをして、私と目を合わせた。
「餌を捕食するときだけ、本能が抑えられなって姿に現れる」
「餌……」
ってことは……
「血肉だったり魂だったり、な。人と同じように普通の食事で足りるから食わなくてもいい……はずなんだが、衣月の前だと変に抑えられなくなるときがある」
「私は餌……」
「違う。衣月を捕食しようとは思ってない。何故だか理由が分かればいいんだがな」
「そう、ですか……」
ほっと一安心して湯呑に入ったお茶を啜った。
温かいお茶が喉を通って落ちていく。
そういえば意識はぼーっとしてたけど、死にかけの体が治るちょっと前に何かを飲んだんだっけ……
「…………」
鬼の状態の緋瀬さんに、口移しされて……?
「人の姿に戻ったんですね」
「……あぁ。まぁ、こっちが通常だ」
「そうなんですか?」
緋瀬さんは少しだけ神妙な面持ちをして、私と目を合わせた。
「餌を捕食するときだけ、本能が抑えられなって姿に現れる」
「餌……」
ってことは……
「血肉だったり魂だったり、な。人と同じように普通の食事で足りるから食わなくてもいい……はずなんだが、衣月の前だと変に抑えられなくなるときがある」
「私は餌……」
「違う。衣月を捕食しようとは思ってない。何故だか理由が分かればいいんだがな」
「そう、ですか……」
ほっと一安心して湯呑に入ったお茶を啜った。
温かいお茶が喉を通って落ちていく。
そういえば意識はぼーっとしてたけど、死にかけの体が治るちょっと前に何かを飲んだんだっけ……
「…………」
鬼の状態の緋瀬さんに、口移しされて……?