転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
「……まあ、いいわ。リンデルトが言うのなら、そうでしょう。あなたも、皇妃には近寄らない方がよいのでは？　自分の立場を、もう少しわきまえることね」

　そう言い残し、ティアンネ妃は立ち去ってしまう。それを呆然と見送り、ヴィオラは息をついた。

（ティアンネ妃って、嫌な人……！）

　そもそも、ヴィオラがここに来ることになったのは、ティアンネ妃の母国が原因だ。彼女の国が、ヴィオラの国に戦争をしかけたりなんかしたから。

「ヴィオラ様……今のことはリヒャルト殿下にお話ししておいたほうがよろしいかと」

「そう？」

「はい。ティアンネ妃は、皇妃様の代役として公務にあたることが多いのです。そうやって、事実上の『皇妃』として長い間ふるまってきたので、自分の場を奪われるのではないかと不安なのでしょう」

「そういうものなのね。ニイファがいてくれてよかった。ありがとう」

　ニイファはいろいろ気がついてくれる。もし、ニイファに言われなかったら、自分がティアンネ妃から嫌味を言われただけだからとそのまま流してしまっただろう。

「じゃあ、とりあえずニイファからセスに伝えてくれる？　明日のピクニックで、詳しい話はするけど」

「かしこまりました」

　明日もまたリヒャルトとは顔を合わせるから、問題があるようならリヒャルトの方から話を聞いてくれるだろう。



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