転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
 抵抗するけれど、その抵抗を押しのけるみたいにして、徐々に『今』の意識が浮上してくる。瞬きを繰り返しながら目を開いた先にあったのは、見知らぬ天井だった。

「……私」

 真っ白に塗られた天井は、とても清潔な雰囲気だ。病院という言葉はこの世界には存在しないはずだけれど、病院という言葉が一番しっくりくる。

「ああ、お目覚めになりましたね」

 首を横に動かしたら、ベッドの側に置かれている椅子に腰を下ろしているのは、見たことのない女性だった。侍女のニイファと同じ年齢くらいだろうか。

「あ、あの、ニイファ! ニイファは!」

 慌てて飛び起き、頭がぐらりとしたことに驚く。側にいた女性は、そんなヴィオラに驚いた様子も見せず、手を貸して、枕に頭を落ち着かせてくれた。

「ここは、オストヴァルト帝国の皇宮でございます。ヴィオラ姫様は、盗賊に襲われて……」

 そこで彼女は口を閉じてしまった。首を横に振って、その先を言うべきか言わないべきか迷っているようにも見える。

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