転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ

　侍女や女官でも、自分の侍女を雇うのは不可能ではないから、ニイファも、本人にその意思がある間は、ヴィオラの側で働くことができる。

　ヴィオラとしては、自分の国に帰らないで済むことだし、前途洋洋だと思っていたけれど、物事はヴィオラの思うように進まないみたいだった。

　その日の勉強を終え、満月宮に戻ってきたヴィオラを皇妃が呼び寄せる。

「こちらにいらっしゃい。あなたの新しいドレスを仕立てるから、デザインを決めましょう」

「はい、皇妃様」

　皇妃に連れていかれた先では、政務を満月宮に持ち帰ってきたリヒャルトが、書類を手に、窓際のテーブルに座っている。

（……リヒャルト様が、こっちに来ることも増えたわよね）

　ヴィオラにつきそっていたニイファは、皇妃の侍女と協力しててきぱきと動き始め、あっという間にテーブルにはお茶の用意がされるのも、この頃ではよくみられる光景だった。