悲しみの理由を忘れた少女
〜てかさ、俺〜

「おはよう。」

そこにいたのは西条くん。
いつもはこんな時間に来ないのにどうしたのだろうか。

「おはよう。」

そう私が言うと彼は自分の席に行きカバンを下ろす。

「そういえば昨日、電話ありがとう。」

私はそう言い、昨日の電話を思い出した。
『淋しい?』
再生されるその言葉にまた心が乱れる。
昨日の淋しさで胸が締め付けられる。

「ねえ城咲さ、今日俺の家来ない?」

胸がドクンと跳ね上がった。
え?
突然の言葉に驚く。

思えば西条くんはいつも唐突で、予想もしないことを言ってくる。

「昨日電話しててさ、なんかどうしようもなくさ、ほっとけない気持ちになるの。」

私はその言葉に顔を俯ける。

「てかさ、俺」

彼は何かを決心したようにこちらを向いた。

「城咲が好きなんだ。

ほっとけなくて、悲しい顔してると抱きしめてやりたくなって、壊れそうで危なっかしくて。」

初めて出会った時とは全然違う。
言葉が荒くて、感情的で、

でも、その声はとても優しく響いてる。
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