私だけの場所。




文化祭が終わり、2週間ほどたった。
いまだ、千夏とは仲直り出来ておらず、逆に千夏との間が広がっていく一方。




家に帰れば、間宮さんや赤羽さんにも心配されるぐらいだ。どうしたものかと悩みながらも間宮さん達に相談する訳にも行かず……悩んでいれば大輝君に、渡辺さんに相談してみたら?と言われ。悩みに悩み、相談することにした。




「で?」



「で?と言われましても……な、何を話せばいいんですかね?」




なんて、生徒指導室でお互い向かい合って、先生がくれたりんごジュースを片手に、珈琲を飲んでいる先生を見る。




「んー。じゃあ、なんで喧嘩になった」



「それはですね……些細なことです。」




「……………おまえ、相談する気あるの?」




なんて、苦笑され私は机に項垂れる……





「喧嘩した理由を言わないと行けないのはわかってるんですぅー!でも……でも、私が悪いのも分かってるんですぅー!」



「……まぁ、落ち着け、刑事ドラマみたいにカツ丼は出てこないが……珈琲ぐらいなら何杯でも入れてやるから。」



「あー!先生ぇー私、珈琲飲めないんですぅー!」



「あぁ、知ってる。立花から聞いてる。それに、知らなかったらりんごジュースなんか渡さない。」




なんて、にやにやしながらも私に言う先生に軽く睨みながらも、おでこを机にたたきつける。




「旅行、旅行の帰りから千夏は変だったんです……」



「変とはどんな感じに?」



「……いつもなら笑い飛ばせるジョークを真剣に受け答えしたり、何故か間宮さんと別れたら千夏を裏切ったことになるとか……間宮さん達との関係はどーなるの?とか、いきなり『しょせん私はコマなんだ!!』って叫ぶし……大輝君なんて千夏の分の缶ジュースを渡してきたと思ったらひとつが缶コーヒーで?先生に相談してみたら?って言われてきてみればカツ丼出ねぇーけど珈琲のむか?って?大輝君なんで、先生に私がコーヒー飲めない事話すかなぁー、面白がってからかわれるの分かってんじゃん!!………それに、千夏と赤羽さんとの間になんかギスギスした雰囲気漂ってるし!?私のせいですか?私のせいなんですかっ!?そうですよ……珈琲飲めない私のせいなんですねぇーー!!」




「いや、落ち着けよ。面白半分でコーヒーの話をふったが……いや……なんかごめん。コーヒー飲めなくても、飲めたとしても、佐藤との喧嘩には関係ないな……多分……取り敢えず落ち着け、途中から話が脱線してっから!な?」





なんて、机に項垂れる私の前に紙パックの紅茶を置いてくれる先生。少し顔を起こし机に顎を置く。





「……紅茶はミルクティーしか受け付けません。」




「ちっ………ほら、これやるから……」




舌打ちが聞こえたが……机に置かれた違う紙パック。でも少しお高い紅茶を目にして、舌打ちを聞かなかったことにする。




「んー。でもまぁ……俺的には間宮とか言う人物達と佐藤の関係に問題あるんじゃないかと思うな……なんか聞いてねぇーの?」




「…………聞いてない。」




「…………んー。でもまぁ時間が解決するんじゃね?」




「それで解決してたら先生に相談なんかしてません〜!」




「そうとも言うな」




「そうとしか言わんな。」





なんて、紅茶を飲み干した私は何かを考え込む先生に追い出されたのだった。





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