私だけの場所。




千夏を追いかけることなく私は移動して、運動上に集まり文化祭の打ち上げをしてる全学年を靴箱前の階段に座り眺めている。




「どうした?」



「大輝君……」



缶ジュースを片手に歩いてきて私の隣に立つ彼をちらっと見て視線を戻す。大輝君はそんな私の隣に座り缶ジュースを飲んでいる。




「あ、ほら。これ、配ってたから貰ってきた。……佐藤も一緒だと思ったから貰ってきたんだけど……居ないからやる。」



そう言って缶ジュースを二つ私の膝において黙る。
無言でいる私たちの周りだけが静かで……少し気まずくなる。




「はぁ……佐藤と喧嘩でもした?」



「……喧嘩した。」


「へぇ……」



「別に珍しいことじゃない。けど、今回はきっと、私が悪いんだと思う」



「なんで?」




「……わかんない。けど、私が……あぁ言わなかったら……千夏が怒ることもなかったんだと思う。」





そう言って話す私に大輝君がジュースを飲みながらも話を聞いてくれている。話を聞いてくれるだけでいい。アドバイスなんてくれなくていい。




「あ、俺なんかより。渡辺さんの方がよく聞いてくれると思うけど?」



「先生が?」



「うん。ねーちゃんがよく相談に乗ってもらってるし、そういうことに対して慣れてそうだし?」



「………うん。ありがとう。……でも、自分でなんとかしてみる。」




そう言った私に頷く大輝君と一緒に盛り上がるみんなを見て楽しかったね。と話をしたのだった。




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