私だけの場所。




「もしもし、こんにちは。神崎の担任の渡辺と申します。今お時間よろしいでしょうか?」





なんて、神崎の母親の携帯電話に電話する。




『あ、はい。大丈夫です。』



「すみません。手短に済ませます。えっとですね、今月の末ぐらいに文化祭がありまして、お時間がありましたら、どうぞご参加ください。と、言う連絡でして……」



『文化祭……ですか?』



「えぇ、学校での様子をご覧になられては……と思いまして、ご連絡させて頂きました。要件はそれだけですので……失礼致します。」




なんて、電話を切ろうとしたが……




『行きます!!娘に会いに行きます。そこで……仲直り……出来ますか?』




なんて、不安そうに聞いてくる声に俺は苦笑する。




「私に聞かれましても……それはお母さんと娘さんとの事ですから……私がなんとも言えません。ですが、娘さんもお母さんを目に移せば何かしらの気持ちは変わるかもしれせんね……」



『そう、ですね。わざわざありがとうございました。それでは、そろそろ……ありがとうございました。原田先生。』





なんて、電話がきれる。いや、原田ってだれ?





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