隠れ蓑〜Another story〜




退社の時刻になるとロビーにはいつも以上に大勢の人。

人気の彼の噂であれだけ騒ぎになれば、当然こうなるだろうなと予想はしていたものの予想以上の人の多さにたじろいでしまう。





その大勢の人の視線はもちろん受付だ。

業務日報を書きながらも冷たい視線を身体中に感じて顔が上げにくい。




「先輩っ!いい加減に視線が鬱陶しいのでちゃっちゃっと津川さんに電話して下さい。後は私がしておきますから。ほらっ!早く〜!!」

周りからの視線に耐えられなくなったであろう真美ちゃんから小突かれる。




「えっ、、でも、、、。」

「い・い・で・す・か・らっ!!連絡お願いします!!!今すぐにっ!!!!!!」





真美ちゃんの凄い剣幕に圧倒され、慌てて携帯を取り出し彼に掛けた。


ワンコールで直ぐに彼に繋がった。





「も、もしもし、、津川さん?お疲れ様です。お忙しいところにすみません。今、、終わりました。」


私の第一声にロビーが静まりかえり、聞く耳を立てているのが分かる。



緊張して声が震えそうになりながらも、周囲を気にして冷静を装う。





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