隠れ蓑〜Another story〜
「呼び捨てはできないからっ、、!!っけ、、圭くん、、って呼んでもいい、、ですか、、?」
「、、、語尾が敬語になってる。でもまぁ、、今回は許すよ。頑張って名前で呼んでくれたから。」
視線を逸らした彼の横顔は心なしか赤くて、その姿にドキッと心臓が跳ねる。
たまに見せる津川さんの見たことのない表情に日々戸惑っている。
ただ一つ言えるのは、彼が嬉しそうに笑ってくれたらこちらも嬉しいと感じているという事。
これが好きっていう事、、、?
あんなに張り詰めていた空気も、彼の隣ならそれが一瞬に優しい空気に変わる。
こんなに隣にいて安心できる人、、今まで異性には居なくて間違いなく私の中で彼が〝特別〟だという事は理解している。
でも特別なのは、やっぱり彼が私をドン底から救い出してくれた人だから。
そんな彼を〝特別〟だと思うのは当たり前のことだと思う。
「それはそうと、、今日はどうにかなったけどこれからはそう上手くいかないかもしれない。あれだけ噂になってたらいつかボロが出るかもしれないな。」
「そう、、ですね、、、。」
そろそろこの〝偽りの恋人〟も潮時だ。
半年以上も彼に助けてもらって仕事にも支障なく過ごせている。