隠れ蓑〜Another story〜
頭を優しく撫でられながら〝俺の為〟と言われれば黙って頷くことしか出来なかった。
結局その日は初めて彼と外で食事をして、そのまま私の住むアパートまで送ってくれた。
その日を境に、2人の関係性も少しずつ変わっていった。
数ヶ月も経つと緊張せずに彼の事を〝圭くん〟と呼べるようになり敬語で話す事もなくなった。
週に一度はアパートへ招いて、夕食を振る舞う事も増えた。
でも何より、1番変わったのは彼の私への接し方だ。
それはもう〝偽り〟である事を忘れてしまうほどで、声や表情は勿論、、私に接する全てが〝本物の恋人〟に接するかのようになっていったのだ。
周囲も彼の変化に気づき、驚きや戸惑いの声が上がったが1番戸惑ったのは、、他でも無い、、、私だ。
社内では勿論だが、知り合いが誰も居ないであろう私の部屋でも彼は私を本物の恋人のように接した。
それはまるで愛されているのではないかと勘違いしてしまいそうなくらいに、、、。