隠れ蓑〜Another story〜


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彼女と〝偽りの恋人〟になって1年が経った。




俺が提案した〝この関係〟に最初はかなり戸惑っていた彼女も、今では戸惑いも少なくそれなりに信頼関係も築けていると思う。


ただ、最近の心配事はというと、、彼女を狙い輩が明らかに増えたという事だ。












初めて彼女の存在を知ったのは、今から随分と前だ。

新入社員として庶務課に配属された彼女は、書類不備なので何度か営業部に足を運んでいるのを見たことがある程度の認知度で目にも留めていなかった。




何故ながらば、自分とは正反対な穢れを知らない純粋で綺麗なオーラを放つ彼女とは関わる事など一生ないだろうと思っていたからだ。


その年と新入社員の中で、化粧っ気はまるでないが綺麗な顔立ちをした子がいると営業部でも話題になり耳にしていた。

そんな彼女と初めて会話をしたのは、営業部の同僚が皆外回りに出払っていて営業部が間抜けの殻になっていた日だ。




たまたま書類が溜まっていた俺は、1人残り事務作業をこなしていた。

パソコンに向かい打ち込み作業をしていると、営業部の入り口の方で人の気配がした。


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