隠れ蓑〜Another story〜


だからなのか、恋人が居ても関係なく彼女を口説く輩が続出したりするのは。

でも1番気になるのは、女達からの嫌がらせが徐々に酷くなってるところだ。





陰口も堂々と叩けば、もはや陰口でもない。

あちらこちらで耳にする彼女の話。




その中には事実でない事まであって、噂好きの女子の間では一気に広まった。














「ねぇ、聞いた?受付の西村さんのあの話。」

「聞いた聞いたっ!最近では社外の人間にも色目遣ってるってヤツでしょ?しかも大手企業の社長の愛人してるって。」

「私は既に妊娠してるって聞いた!」

「まぢっ!?じゃあ津川さんは捨てて寿退社って事?!?!超〜玉の輿じゃん!どうりで最近綺麗さが増した感じするもんね、、。幸せの絶頂だからかな。」












そんな話し声が聞こえて、、本当に馬鹿馬鹿しいと思う。

彼女が妊娠?




あり得ない。

昨日の仕事帰りに彼女の部屋に寄って食事をしてそのままソファーに押し倒せば、真っ赤な顔をした彼女から拒否されたばかりだ。



何気なく視界に入ったカレンダーを見ると、おおよそ毎月同じサイクルで来る女の憂鬱な日だと分かって彼女を抱きしめるだけでとどめた。


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