剛力家の三兄弟
殺人や強盗ってそんな物騒な話じゃ無いけど…
でも困ってるんだもん!
なんとかこの刑事さんに助けてもらわないと、他には当てがない。
あっ!
「私、人を殺そうとしました。殺人未遂です!逮捕して下さい!!」
真奈美は大きな声で叫んだ。
すると街を歩いていた人達が一瞬立ち止まり、真奈美へ驚きの目を向けるが、直ぐに逃げる様に離れて行く。
刑事も一瞬目を見開いたが、直ぐに笑い出した。
「お前ね?冗談は顔だけにしとけよ?」
「ホントですって!」
必死に訴える真奈美へ男は諦めたようで、大きな溜息をついて「分かった付いて来い!」と言ってくれた。
しかし、真奈美の連れられて来た場所は、交番でも警察署でもなく、1階にカフェが入っている3階立てのビル。
カフェで、コーヒーでも飲みながら、詳しい話を聞いてくれるのかな?
朝早く寮を出て、何も食べてなかったからちょうど良いや!
ひょっとして刑事さんがご馳走してくれるかも?
そしたらラッキーだし!
だが、刑事の男はカフェへは入らず、カフェの入り口横の階段を上がって行く。
あれ?
刑事さんどちらへ?
真奈美は刑事について、仕方なく重いキャリーバッグと、大きなショッピングバックを抱えて、階段を上がる。
普通、女の子が大きな荷物を、2つも抱えてるんだから、ひとつくらい持ってくれてもいいのに!
イケメンのくせに気が利かないな男!
あんた彼女居ないでしょ?
イケメンでも、あれは絶対モテないタイプだ!
真奈美は、階段を上がる刑事の背中に、悪態を思いっきり付いていた。