剛力家の三兄弟
取り敢えず弁護士に、会社で理不尽な事を言われ、今に至ることを真奈美は話した。
「で、啖呵を切って辞めたと?」
そう聞いたのは刑事の男だった。
「はい…」
退職金も勤めて3、4年の真奈美では、たかが知れてる。せめて理不尽な解雇で精神的にも弱っているという事で慰謝料を貰えないかと相談してみた。
「最初に言った通り、初めの30分は無料だが、君が話出して既に15分過ぎている。後の15分で解決する内容ではないが、私はこのまま話を続けても良いのかな?」
弁護士は、ずっと読んでいた本を机に置いて、真奈美を見た。
「え?私の説明してる時間も、30分に入るんですか!?」
「あたりまえだ!私の貴重な時間を割いているのだからな!?」
それならそうと始めに言ってくれれば早口で説明したのに…
私にお金の余裕は無い!
「じゃ、残り15分で話してください!」
「残りは13分28秒。君の話を聞いた限りでは、会社側からクビと言う言葉は言われていない様で、あくまでも自主退社だ。
それから、今の話の内容だと、会社から君がお客様を怒らせたと言われかねない。そうなるとお客様の信頼を無くし、業務妨害したと反対に損害賠償を請求されかねない。
君が言う通りマニュアルに沿って対応したとしても、商品開発部からの情報ミスや、配送部のミスを、裏付ける証拠を手に入れなくては、裁判をしてもまず負けるだろう?」
「えっ!?
じゃ、泣き寝入りと言うことですか!?」
「泣き寝入りと言うのとはちょっと違わないかな?君が辞めると言って、会社側は退職金はちゃんと払うんだろ?」
雀の涙ほどだが、出るとは思う。
「じゃ、私どうすれば良いんですか?アパートを借りるお金なんて無いですよ…」
「君が貯金してなくて、アパートを借りるお金がないと言っても、そんな事、会社側にはなんの関係もない。
それから、もし裁判をするにしても、弁護士や裁判に掛かるお金や時間を考えたら、俺は諦める事を進める。」
「・・・」
「31分になってしまった。仕方ないから1分はオマケしておくよ?
はい、お疲れさま!」
真奈美は冷たくあしらわれてしまった。