剛力家の三兄弟

真奈美は今夜の寝床をどうするかと、肩を落としキャリーバッグを引きずり弁護士事務所を後にしようとした。
その時、ふと、真奈美の頭を過った事があった。

「あの…ここには事務員さんとか居ないんですか?」

「ああ、おばちゃんがひとり居たんだけどね?娘さんに子供が生まれて、孫の面倒を見たいからと、先月辞めたんだよ?」

そう教えてくれたのは刑事だった。

ラッキー!

「じゃー!私を雇って下さい!
お茶汲みでも、電話番でも何でもやります!
お願いします!」




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