剛力家の三兄弟
「あれ?今、憲剛居なかった?声が聞こえたと思ったけど?」
顔を出したのは、明憲だった。
「あー呼び出しが合ったとかで、たった今、出かけて行きました。」
「ふーん。ん、コーヒー?」
明憲はコーヒーの残り香に気がついた様だ。
「あ、今、憲剛さんに淹れてたんです。良かったら淹れますけど、飲みます?」
「あー頼む」
「まだ、起きていらしたんですね?」
「ん?ああ。明日までに、作らなきゃいけない書類があったからね?」
「それって、雅人君のお兄さん関係ですか?」
「ああ、それもある」
「どうなりました?」
「個人情報!」
個人情報って…
そうかもしれないけど、でも…私だって全くの無関係じゃないんだから…
教えてくれても…
「・・ケチッ!」
頬を膨らます真奈美を、明憲は笑うと仕方ないかと話す事にした。
「フッ…。まぁあんたは、うちの事務所の人間だから、良いか。
禎憲の件は兎も角としても、迷惑行為については、公園の持ち主である町内会長さんの所に、彼と彼の親御さんと一緒にお詫びに行って来た。後、無免許運転の件も、このまま無しにしておく訳にいかない。彼の為にも良くないと思うからな、一緒に警察署へ行ってきた。」
「警察署…そうですか…」
「本人から、迷惑をかけたからと、町内会長へ社会奉仕活動の申し出があって、町内会長も、今回だけはと、許してくれて、何かあれば嘆願書へも署名してくれる事になった」
「町内会長さんが?」
「通常、未成年の無免許運転は、逮捕後、警察による取り調べを受け、後日家裁より出頭命令を受け、そこで罰則が言い渡される」
「逮捕…」
「だが、無免許運転は、通常現行犯逮捕だ。今回は自ら出頭したし、反省してると言う事で、今回だけは厳重注意と言うことで、特に処罰はされない」
「良かった…あっ!そう言えば、しいたけ茶のお金下さいね?ちゃんと領収書貰ってますから?」
「あーそれは、今回の依頼料にしてやるよ?」
「は?」
「依頼料にしては、随分安いが、彼等の将来の為と言う事で、安くしておく。」
「ちょっと、お金取るんですか?」
「当たり前だ!慈善事業やってるんじゃ無いぞ!」
「…だからって、私がお金出すのっておかしく無いですか?」
「あんたが、依頼したも同然だろ?ずっとどうにかならないかと言ってたし、状況を事細かに連絡して来たのは、動いてくれとの意思表示だと、俺は受け取った。」
「それは・・・」
おつかいに出たまま帰らないと心配すると、思っただけで…
「もし、あんたが納得いかないというなら、彼等に依頼料を請求するが?」
「・・・・」
「じゃ、明日請求書作るから、雅人の家に届けてくれるか?」
「もう良いです!!しいたけ茶を依頼料にして下さい!」
「そう?じゃ、明日領収書発行するわ?」
「いりません!」
このクズ弁!