剛力家の三兄弟

法子に注意を受けながらも、何とか食事を済ませる事が出来き、ホッとしてる真奈美へ、今度は剛力家の当主から「デートはしてるのかね?」とのお尋ねが入った。

デート?
誰と?

当主の質問に、真奈美の代わりに答えたのは法子だった。

「昨日は、明憲とデートしてきたみたいですよ?そうですよね?」

あれは、デートじゃないし!

「あ、い…」

「はい、二人で出かけました」

違うと言おうとした真奈美を遮る様に、返事をしたのは明憲だった。

はぁ?
明憲さん何言ってるの?

「そうか、それは良かった。それで何処へ行ったのかね?映画?ショッピング?それとも遊園地?まさかいきなりラブホテル?」

ラブホテルって…
オジさん、それセクハラだから!
それに私達デートなんてしてないし!

「昨日は、特に何処へという訳でなく、二人で散歩をして、公園で真奈美さんの作ったお弁当を食べて来ました」

なんの躊躇いもなく虚言を吐く明憲に真奈美は驚きを隠せずにいた。だが、今、この場で嘘だと反論するのは適切でないと思い、真奈美は開きかけた口を噤んだ。

「明憲が外で食事を?」

驚く当主と共に、憲剛と禎憲達、二人も驚きを隠せずにいる。禎憲は、“これで、決まりだね?” と、言う。

は?
何が決まりなの?

「俺は構わないよ?彼女さえ良ければ?」と明憲は諦め半分といった感じで言う。

「明憲さん、私さえって何を言ってるんですか?」

「でも、明憲が良くても、真奈美さんは良くないみたいね?兎に角、三人平等に付き合ってから、約束通り真奈美さんに決めてもらいましょ?」と法子は言う。

そんな法子の言葉に
「じゃ、とっとと、決めてもらおうじゃないか?」と言う明憲。

ちょっと!
ナニその投げやりな言い方、無いわ!

「じゃ明日、俺非番だから、デートしようか?
映画のチケットもらったから?
午前中はちょっと用があるから、駅前に14時に待ち合わせと言う事で?
あっ折角だから、着物で来てよ?」

はぁ?デート?
で、なぜ着物?




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