剛力家の三兄弟

つい…約束してしまった憲剛さんとのデート?
駅前に14時って言われたけど…
ホントにアイツ来るの…?
え!? 嘘っ…

絶対来ないと思ってた。
てっきり、私をからかっているんだと思ってたのに…
約束の時間より早く来てるなんて信じられない。
でも、どうしよう…
ホントにこのまま、アイツとデートするの?

壁にもたれるように立つ憲剛に、引き寄せられ集まる女子ミツバチを見て、真奈美は溜息をつく。

『お洒落でモデルみたい』
『あの人カッコ良い!』

通る人みんなが目を止める。
あんな奴の隣に立つなんて無理。
このまま帰ろう。

帰ろうと、真奈美が後ろを向いた時、

「あっ来た来た!おーい真奈美ー!」

げっ…見つかった…?
てか、なんで呼び捨て?
いつも名前なんて呼ばないクセに!

家や、事務所では、居候か、オマエ、もしくは、ブスとしか呼ばないクセに!

「ゴメンね?彼女来たからまた今度ね?バイバイ」

自分の周りを囲むミツバチに、無駄に愛想笑いを振りまき名残惜しそうに手を振る憲剛。

なにアレ⁉︎
私、アンタの彼女じゃないし!
勝手に彼女にするな⁉︎

憲剛は真奈美の怒りなど露知らず、微笑みながら、真奈美のもとまで近づく。

「真奈美は着物も似合うね?」
思ってもないくせに!

「どうせ七五三?だって、笑いたいんでしょ?」

「どうして、笑わないよ?
とても似合ってる。でも、ちょっと残念かな?」

え?

「それ、お袋が見繕った物でしょ?
俺は真奈美が俺とのデートの為に選んだものが見たかったから?」

心にもない事言って…
この男は何がしたいの?
嘘つきは泥棒の始まりって言うんだよ!刑事が泥棒になったら、マズイでしょ!

「な、なによ?正直に似合わないって言えばいいじゃない!」

「ホント見惚れちゃうよ?思わず抱きしめたいくらい」

嘘つき!
思ってもいない事、よくもまぁ、そんなに言えるもんだ。

「・・・で、これからどこいくんですか?」

「映画のチケットが有るっていったでしょ?でも、始まるまで時間あるから、カフェでお茶してようか?」

「はいはい…」
まぁ時間があるなら、仕方ないか…




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