剛力家の三兄弟

えっ!?
ナイフ?
ピストル?

怖い!
これは本当にヤバイやつじゃん!
本当に警察を…

「だれか…」

声を出しかけた時、男が懐から出したその手には、ナイフでもピストルでもなく、警察手帳があった。

え…?
警察…?

「君、いくつ?高校生だろ?名前は?
親御さん心配してるよ?
親と喧嘩したくらいで家出なんてしたらダメだよ?
外は寒い家に帰ったほうがいいよ?
もし帰りづらいなら僕が親御さんに話してあげようか?」

真奈美は昔から警察が苦手だった。
特に悪い事していた訳でもなく、補導された事もない。

ただ、お巡りさんを見ると、なんとなく避けて通ったり、パトカーを見つけると顔を背けていた。
 
幼い頃よく祖母に『云うこと聞かないとお巡りさんに連れて行かれるよ?』と、脅され続けたせいなのだ。

子供が大人の言うことを聞かないくらいで、お巡りさんが子供を逮捕する訳ないのに、祖母はずっと真奈美の子供心に恐怖心を植え付け続けたのだ。
厄介な事に、大人になった真奈美は、今も祖母の言葉が忘れられないわけだ。




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