わたしを光へ。

「うん。屋上でいい?」


意外と屋上には人が来ないんだ。


入学したばかりの四月とかはよく人がいるんだけど、だんだんと皆んな来なくなる。


今日も人はいなかった。


何か話すには絶好の場所ってことだ。


「美月のお弁当美味そ。自分で作ってんの?」


「ううん。お母さん」


屋上に設置されたベンチで二人並んで座り、ご飯を食べる。


氷室くんはさっきから他愛のない話をしていて、お弁当ばかりが黙々と減っていく。


一体何の時間なんだこれは。


まさか本当にただ私とお昼ご飯を食べたかったわけではあるまいし。


ついにご飯を食べきってしまって、私は氷室くんに切り出した。


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