わたしを光へ。
そんな両方の気持ちに板挟みになって、どうにかなりそうだった。
「美月ちゃんが何で悩んでるのか分かんないけどさ、俺らはずっと味方だから」
嗚呼もう本当に嫌になる。
弱い自分も、今また泣きそうになっている自分も。
古賀くんは、気を遣って部屋から出て行った。
一人残された私は、重力に逆らわずただ涙を流した。
タイミングの悪い、着信。
ろくに発信相手も見ずに出た。
「美月?」
心臓が、ドクンと音を立てる。
そのまま鼓動が速くなっていく気がした。
本当に貴方は、
「…加賀くん」
私を締め付けて離さない蜘蛛だ。