わたしを光へ。

結局、泣き止まない花那に付き合ってもう一日休んだ。


二日振りに登校した学校では、心配してくれた皆んなが声をかけ、それに私は曖昧に微笑む。


昼休み、私は洸と二人で会っていた。


廊下の一番奥の、滅多に人が来ない特別教室。


昼休みの騒めきが遠くに聞こえて、私たちが隔絶されている感覚がする。


「体調良くなったの?」


媒体を通して花那のことを言える訳もなく。


洸はまだあの出来事を知らない。


「体調は悪くないの」


その言葉に、洸は不思議そうな顔をする。


洸の視線を感じながら、私は一つ息を吐く。


「…花那が手首を切った」

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