元彼氏の取扱説明書
「あれれ?何離れちゃってんの?照れた?今更すぎるんですけどー!」
そう言いながらまた涼介は私に近づいてきた。
私はもう意味が分からなかった。
今どきの彼氏彼女というものは別れてもこんなにベタベタするものなのか?
少なくとも私はそんなタイプではない。
ここでガツンと言いたくなってしまい私は立ち止まった。
「あのさ、涼介」
私が立ち止まったことに気づき涼介は私の方に戻ってきた。
「ん?なぁに?」
「私達昨日別れたよね?」
昨日あんなにも辛い思いをしたのにこんなことを聞くとは思わなかった。
返事はすぐに返ってこず、しばらく考え込んでいる様子。
どんどん涙ぐんできて溢れそうになったとき
「んーそうだね。別れたね!でも俺は恵里香とは今まで通り引っ付いたりデートとかしたりしたいなー」
1言目で涙が溢れたけども、すぐに涙は引っ込んだ。
は?ナンダソレ?
セフレってことか??
「涼介、意味わかんない。とりあえず仕事終わったら説明して」
私は怒っていたが
涼介は了解と手を振り行ってしまった。
まじで意味がわからない展開だ。
悶々としながらも業務に集中することにしたが当然の如くこの日は仕事にならなかった。