無愛想な同期の甘やかな恋情
「あ、ありがと」


トクトクと音を立てて注がれる琥珀色の液体を見つめながら、私は意味もなく唇を手の甲で拭った。


「いきなり変なこと聞いて、すみません。でも、同じ販売部の同僚たちに、よく聞かれるんですよ」

「え?」

「美紅さんと穂高さんが息ぴったりで、ヒット商品を続々と生み出せるのは、きっとプライベート込みのコンビだからだろうなって」


瓶の口を上げてテーブルに戻しながら、新井さんが続ける。
私はドキッとしながら、テーブルに頬杖をつく彼女の横顔を見つめた。


「仕事もプライベートも、って……どれだけ恵まれたOLライフよ!?って。妬みたくなるほど羨ましいけど、それが美紅さんと穂高さんなら、もう羨望しか湧かないなあって」

「………」


彼女が言ってくれる『羨望』は、正直なところとてもくすぐったいけれど、同時に嬉しかったのも本心だ。
私と穂高君がどうとかじゃなくて、そういう仲良し『コンビ』に憧れる気持ちは、私にもある。


「お言葉は、嬉しい」


私は彼女にはそう答えて、なみなみに注がれたグラスに口をつけた。
そうして、この間ラボで穂高君に言われたことを思い出す。
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