無愛想な同期の甘やかな恋情
『冴島、間中さんと仕事したいだろ?』


ゴクッと喉を鳴らしてビールを飲み下した。


「……そりゃあ」


無意識に口を突いて出た言葉を、新井さんが聞き拾った。
「え?」と聞き返されて、私は慌てて首を横に振ってみせる。


「なんでもない」


笑って誤魔化してから、肩を動かして息を吐いた。


穂高君に指摘された通り、間中さんと一緒に仕事がしたいという思いは、今まで胸から消えたことはない。
正直に言う。
私は、最初に手掛けた企画商品で、間中さんが研究主任に就いてくれることを期待していた。


だって、彼は商品化が決まる前から実験してくれたし、いつも的確な助言をしてくれたから。
実際商品化に向けて研究する段階に入っても、彼が担当してくれるのが、一番効率がいいと思っていたからだ。


だから、研究担当が穂高君に決定したと聞いた時は、『どうして』と残念に思ったことは否定できない。
今さらだけど、なんで最初に、間中さんが担当にならなかったのだろう……?


もちろん、間中さんは他のブランドも抱えていたし、当時特にメインの研究を手掛けていなかった穂高君が任されたのは納得できる。
でも。
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