一目惚れの彼女は人の妻
 なんでシュン君がここにいるの?

 私は驚き過ぎて、しばしシュン君を見つめてしまった。シュン君も、驚いた顔で私を見ていたから、彼も私の事を憶えてくれてたみたい。嬉しいなあ……

 名刺交換になり、齋藤さんという中年男性と名刺を交換し、いよいよシュン君との番になった。

「SEの、中山俊輔です」

「経理担当の、田村宏美です」

 へえー。俊君って、システムエンジニアなんだ。凄いなあ。
 それにしても、間近に見る俊君は本当に素敵で、私はドキドキが止まらない。顔は上気して火照ってるから、きっと赤くなってると思う。

 おっと、名刺を戴かなくちゃね。俊君の貴重な名刺を。私は「戴きます」と言い、俊君の名刺に指を掛けたのだけど、俊君は私に視線を向けたままで、名刺を離してくれない。

 きっと俊君は、こういう事にまだ慣れてないんだろうなあ。私もだけど。そう思って、

「お名刺」

 と、言ってあげたのだけど……

「戴きます!」

 と俊君は言い、名刺を持った私の手をギュッと握った。

 私はびっくりしたのと、俊君が”痴漢男”だという事を咄嗟に思い出し、反射的に手を手前に引っ込めた。その瞬間、私は再び触られてしまった。俊君に、Eカップの私の胸を……
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