控えめ君と鈍感ちゃん

③幼馴染と登校

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私と郁人が通う小鳥川高校は家から大体、自転車で行けば20分程で着くが若干遠いため、うちの近所ではあまり小鳥川高校へと通ってる子はいない。だから途中までは誰とも会うことはない。だから2人の時でしか話せない話しをおもにしてる。
と言っても大抵はゲームの話しがほとんどだ。
なんせ、郁人が人見知りのため2人のときでじゃないとちゃんと話せないのだ。
「昨日さーやっとラスボスまで行ったんだけどさー、結局倒せなかった〜」
「えっ?遅くない?僕、もうボス3体目だよ」
と、少し小馬鹿にしたように笑われた。
「ムッカァ〜!だってりっくんめっちゃゲーム上手いじゃん!ガチ勢じゃん!私The.エンジョイ勢だもん!」
「はいはい。どうせ弟君に手伝って貰ったんでしょ?笑」
さっきまでの無言の大人しい郁人はどこへ行ったのか!
と、思いつつ慣れっこなのでもうどうでもいい。
郁人は小さい頃から人見知りだったので、慣れない相手とはあまり話さないが、馴染みの人と話す時だけ別人のように喋るのだ。
「じゃあ、あそこの隠しアイテムもう取ったんだ?」
「え?どこのこと?」
「知らなかったの?じゃあ今日一緒にやろ。その時に教えてあげる。」
「ありがと〜あっ、あとついでにお勉強も...」
「うん。いいよ。」
郁人は意外と頭がよく、学校でも200人近くいる1年生の中でも必ず、上位の10〜20位には入ってるのだ。
郁人は高校を推薦で入っていて、その理由も学力が高かったためだ。
「それに比べて私は...」
いつもギリギリ半分の80〜90位ぐらいだ。良くて70位。
そのため、受験の時も郁人に付きっきりで教えてもらっていたのだ。
「でも、かおは頭はともかくスポーツが得意なんだから大丈夫だよ。」
「でも、ギリギリ推薦取れなかったんだよ?どうせならりっくんと私で推薦組で行きたかったな〜。そしたらりっくんにも迷惑かからなかったのに...」
「別に迷惑じゃなかったけど...」
「え?」
「だって僕はかおちゃんのことが好きだから付き合ったんだから。他の人なら...やんないよ。」
「りっくん...」
郁人が頬を少し赤らめてるのを見ると嬉しさと気恥しさが同時に来た。
「改めて言われると恥ずいな〜。でもダメだよりっくん!私だけじゃなくても困ってる人がいたら勉強は教えてあげなくちゃ!」
「え?」
香のすっとんきょうな答えに郁人は口をあけた。
「人見知りなのは知ってるけどさ、でもそれを理由に逃げちゃダメだよ!」
「そういう意味じゃ...」
というボソッと呟いた郁人の声は風にかき消されて、香には聞こえてなかったらしい。
「まぁいいや...」
「ん?何が?」
無邪気に聞き返す香を見ていると、そんな事もどうでも良くなってきたらしい。
朝から勘違いが生まれたまま、坂を上ればすぐの高校へと2人は自転車を強くこぎ出した......。
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