控えめ君と鈍感ちゃん

②隣家の幼馴染

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私の朝のスケジュールは毎日決まっている。
まず朝の5時半には起きて、顔を洗ってお弁当を作る。
作り終えたらだいたい6時ぐらいになってるから、軽く休憩をとって、制服に着替えて朝食をとる。
あとは余った時間で、バッグの中身を確認したり、弟とゲームしたり...。
そして時間になれば、家から出て自転車に乗ってそのまま学校へ!!...とはならず、もう1つ、大事なことがある。
それは...
「おはよー!りっくんー!!迎えに来たよー!」
インターホンに向かって挨拶をすると、ガチャっという音の後に、女の人の声が聞こえた。
『あらー、かおちゃんおはよー♡今日も元気ねー』
「おはようございます、宇美(うみ)さん」
インターホンの奥では幼馴染の空木 郁人(そらきりくと)の姉、空木 宇美(そらきうみ)が弟に急かす声が聞こえる。
『ほら!!りく早くしなさい!かおちゃん待ってるわよ!!ごめんね〜かおちゃん。あっ、家の中入って入ってー』
と言うと、宇美さんはガチャっとインターホンを切り、ドアを開けて、「おいでー」と私を招き入れてくれた。
「かおちゃん、昨日の肉じゃがありがとねー。すごい美味しかった〜」
「ありがとうございます。良ければレシピ書いて渡しましょうか?」
「ほんと?!ありがとー!」
「今日、ごはん届ける時に一緒に入れときますね。」
お隣さんで、幼馴染である郁人の家は両親が共働きで、姉の宇美さんも大学生で、家の事をあまり出来ないので、私がいつもご飯を作って持っていってる。
あと、郁人のお弁当も私が作っている。
「にしてもりくおそいわねー。早くしなさい!ほんとに...」
と、宇美さんが呆れてると郁人が階段から降りてきた。
「おはよー、りっくん!今日もいい天気だね〜。」
「...はよ」
と気だるげな挨拶を交わされた。
まぁ朝弱いから仕方ないっか。
「あっ、はい!お弁当。今日はおからバーグだよ〜」
「...ん。」
......素っ気ない。と、私が思うより早く宇美さんが郁人の頭を叩いてた。
「バシッッ」
「っっーーーー!!」
流石の郁人にも効いたようだ。
「あんた、弁当貰っといてなんなのその返事!ちゃんとありがとうって言いなさい!」
と怒鳴った。
「もう、ほんとごめんね〜」
「い、いえいえ!全然!ほら!りっくん、学校行こ!」
「うん。自転車取ってくる。」
おー!やっと普通の会話が出来たような...。
自転車を取りに車庫へ行った郁人を横目に宇美さんがこちらを見て、
「昨日の肉じゃがのタッパー、洗って返しとくね」
「あっ、わざわざありがとうございます」
「ううん♪︎いいのよ。あっ、郁人来たみたい。」
「...かお、行こ。」
「うん!それじゃ宇美さん、行って来ます!」
「いってらっしゃーい♡」
そして私達は自転車にまたがり、学校へ向かった...。
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