見上げる空は、ただ蒼く
『バカ』
『出ていけ』
『いじめ野郎』

たくさんの悪口が書かれた
自分の机だった。

『おはよう......。』

挨拶しても、返ってくる
のは蔑んだような視線だけ。
あぁ、結乃はこんな気分
だったんだ、なんて凜は
このときに気づいた。

許さない。

凜の中のどす黒い感情。
結乃のせいでこうなった。
結乃さえいなければっ。

その頃。

結乃はクラスメートから
謝罪を受けて、
少しずつクラスに馴染めるように
なってきたところだった。

奏に後押ししてもらって
積極的に話しかけたりして
友達関係もかなり広がってきている。

そんなときだ。

凜が......警察沙汰の事件を
起こして、犯人が結乃だと
証言したのは。
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