恋愛スイーツ




―――昼休み



「奏也〜早く行こうぜー。」




ノリ気の雄大が、俺をせかす。




俺まだ弁当途中なんだけど……



と心の中で思いながらも、雄大のしつこさには負けてしまい




「今行く。」




と言ってしまった。





――――1-4―――



「ここだよ。ほら、あそこに小さい奴いるだろ?そいつだよ。」




ななを遠くから指さして言う。




「えー…どのコ?あ!あの童顔のコ??パーマかけてる?」




「童顔言うなよ。本人はすごい気にしてるから。」



そう言って雄大の頭を叩く。



でもなながパーマをかけてるのは事実。
少しでも大人っぽく見られたいから
本人はかけたと言うけど

前よりも可愛くなって
俺としては本当に心配。



「可愛いんだね。奏也の幼なじみは。
てっきりその隣にいる、美人なコの方がタイプだと思った。」




どうせ大沢のことでも言ってるのだろう
と思って、ななの隣を見たら、それは知らないやつだった。


同じクラスなのに
一緒にいないなんて
おかしいな、と思っていると




「ねえねえ、彼女の名前なんだっけ?」



と雄大が聞いてきたので




「七海だよ。佐倉 七海」



と考えごとをしながら答えると、





「なーなーみちゃーん!!!!」




と雄大は教室に向かって
大声で叫び出した。




ドアのところにいた俺らは
すぐに注目を浴びた。





「ぉいっ!何呼んでんだよ!!」




と俺が言うと




「いいじゃん♪紹介してよ。見るだけじゃなくてさ。」




最悪だ………




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