あなたのこと、好きだけど。

でも今は寒さなんてこれっぽっちも感じない。


顔が火照っていく感覚だけが残っていた。


こんな日に外に出ている生徒は私しかおらず、今にも降り出しそうな曇り空をただ呆然と眺めていた。


先程食べた給食が出そうなほど私の腹は煮えくり返っていた。


むしろ煮えくり返るを通り越して切なくなってきた。


先輩は、カッコよくもないけど、不細工でもない。

意外と可愛い顔つきをした人だ。

とても優しくて、なんでも話を聞いてくれた。


出会いは運動会。


一緒の軍になり、団長だった彼と知り合った。
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