千年愛歌
清水寺は、俺たちのような修学旅行生であふれていて、ちょっとよそ見をすれば迷ってしまいそうだ。
音羽山の中腹に立つ清水寺は、四季の風景がとてもきれいだ。目の前に広がる紅葉が美しい。
「沖田くん!会えるなんて、奇遇ですね」
背中を叩かれ振り向くと、かぐやさんがそこにいた。その表情はとても笑顔で嬉しそうだ。俺も嬉しくなる。
「かぐやさんはこれからどこに行くの?」
「音羽の滝と縁結びの地主神社に向かうつもりです」
「縁結び…」
切ない恋の歌をよくかぐやさんは聞かせてくれる。好きな人がやはりいるのだ。少し、胸が痛む。
「沖田くん…?どうしました?」
かぐやさんが首を傾げる。俺は、胸の痛みを誤魔化すように口を開いた。
「ねえ!紅葉が出てくる歌ってないの?」
「紅葉…ですか?」
「うん!ほら、目の前の紅葉きれいだし!」
かぐやさんは微笑み、すぐに答えてくれた。
「ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」
ちはやぶる、という言葉は聞いたことがある。たしか、神の時代にも聞いたことがない。竜田川の水を紅葉の葉があざやかな紅色にくくり染めにするとはだったと思う。
音羽山の中腹に立つ清水寺は、四季の風景がとてもきれいだ。目の前に広がる紅葉が美しい。
「沖田くん!会えるなんて、奇遇ですね」
背中を叩かれ振り向くと、かぐやさんがそこにいた。その表情はとても笑顔で嬉しそうだ。俺も嬉しくなる。
「かぐやさんはこれからどこに行くの?」
「音羽の滝と縁結びの地主神社に向かうつもりです」
「縁結び…」
切ない恋の歌をよくかぐやさんは聞かせてくれる。好きな人がやはりいるのだ。少し、胸が痛む。
「沖田くん…?どうしました?」
かぐやさんが首を傾げる。俺は、胸の痛みを誤魔化すように口を開いた。
「ねえ!紅葉が出てくる歌ってないの?」
「紅葉…ですか?」
「うん!ほら、目の前の紅葉きれいだし!」
かぐやさんは微笑み、すぐに答えてくれた。
「ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」
ちはやぶる、という言葉は聞いたことがある。たしか、神の時代にも聞いたことがない。竜田川の水を紅葉の葉があざやかな紅色にくくり染めにするとはだったと思う。