千年愛歌
「わびぬれば 今はた同じ 難波たる 身をつくしても 逢はむとぞ思ふ」

かぐやさんの頰がさらに赤く染まる。俺もきっと赤く染まっているのだろう。

なぜ、百人一首で恋の歌が多いのか何となくわかった気がした。昔は電話もスマホもない。会いたくても、遠い場所にいたらなかなか会えない。だからこそ、大切な人を想って歌ったんだと思う。

俺のこの意見を言ったら、かぐやさんはどう思うんだろう。

俺は、言ってみようと口を開いた。
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