千年愛歌
玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの よわりもぞする
夏休みの間、俺は宿題をしたり、部活のバスケをしたり、友達や家族と遊んだりする合間に、少しずつ百人一首を勉強した。

百人一首とは、百人の歌人の和歌を一人一首ずつ選んで作った作品集。四季や離別を歌った歌もあるが、一番多いのは恋の歌。

百人一首を見ていると、国語の教科書に載っていたものもあった。きっとかぐやさんは嬉しかっただろう。

長いような短いような夏休みを終え、また学校が始まった。

「海に行ったら一気に焼けた〜!」

「北海道に旅行に行った〜!」

「おじいちゃんの家に泊まりに行った〜!」

楽しい思い出を語るクラスメートたちに群れることなく、教室ではかぐやさんは一学期と変わらず本を読んでいた。

五月の終わりにした席替えで、俺はかぐやさんの隣に座っている。俺はドキドキしながら、かぐやさんに声をかけた。

「お、おはよう!」

クラスメートたちがこっちを見る。かぐやさんが反応しないとでも思っているのか。ドキドキと緊張は高まっていく。

かぐやさんは俺を見て優しく微笑み、「おはよう」と言った。俺は安心し、クラスメート(主に男子)が悔しそうな表情で俺を見る。
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