涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。
____
___
「―それからねぇ、青春もたしかに君たちには必要だとおもうんだけどねぇ、大人になってからあのとき勉強しておけばよかったなぁとおもうことがこれからたくさん――…」
その話さ、
「さっきも聞いた」
「きっ!きみ!!さっきからなんだその態度は?!まったく…っこれだからっ―…」
せっかく話を終わらせようとしたのに、先生はより声を大きくしてまた同じことを話し始める。
はぁー…これじゃぁいつ終わるんだか…
狭く暑苦しい遅刻指導室で小さくため息をついた。
気を紛らわせようと、まだきれいな原稿用紙をシャーペンの先でトントンつつく。
「―それに君はこの学校に転入してきたばかりだろう、もっと周りを見て…」
力が入りすぎて、ポキっと芯が折れた。
「だぁぁもぅっ先生うるさい!反省文かけないじゃん!」
「うっ…うるさいだとぅ?!せっ先生にむかって」
「いやうるさいよっさっきからずっと同じ話ばっかしてるし!!」
「き!きみ反省してるのかねぇ?!」