涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。


__わ、



……わぁぁぁ?!?!

い、いま好きな子って言った!!?


奏は大きな口をあけて、食べる寸前きゅっと目をとじた。

今からキスするんじゃないかってくらい緊張が伝わってきて、こっちまでドキドキする。



「お…おいしい?」



奏は目をとじたまま、もごもごと口を動かした。



「おいし、よくわかんない」

「あまい」



くははっ…なに言ってんの

ひとりでテンパる奏がおもしろい。



「なにそれ」



空が笑うと、奏はふにゃりと頬を緩めた。




「「ごちそうさまでした!」」



幸せだなぁ

お店を出てもまだ夢の世界にいるようで、入る前より空がよく見える。


…こんなにきれいだったんだね



「奏ありがと」



空に向かって伸びをしていた奏は、なにか企む笑顔でニッと笑った。



「次どこ行く?」



つぎ?



「えっまだどっか行くの、あっちょっと〜?!かなでーー」

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