ただ愛してるだけ
はっきり言う。

私は、慶人君が好き。

律子さんに何を言われても、それだけは真実だ。


「分かったわ。今は見過ごすけれど、スクープなんてされないでよ。」

私はゴクンと、息を飲んだ。

「人気にスキャンダルはご法度。いいわね。」

「はい……」

なんだか、腑に落ちないけれど、律子さんが言っている事も、一理ある。

そこは理解しなきゃ。


そんな重い気持ちを、払拭してくれたのも、慶人君だった。

撮影の現場に、慶人君が足を運んでくれたのだ。

「慶人君。こんなところに……」

「ごめん。どうしても、会って言いたい事があって。」

けれど、人気グループのリーダー登場に、周りが騒ぎだした。

「慶人君、ちょっと。」

私は、誰もいない大道具を置いてある裏に、彼を連れて来た。
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