ただ愛してるだけ
「まあまあ。」

取材陣より、まずは律子さんを抑える事が、先決かも。

「どうなの?夕陽。」

「……当たってるかも。」

「何ですってえ!?」

律子さんの声が、エレベーターの中に響く。


「付き合って、2週間で半同棲中!?そんな人だったの?あなた!」

「私だけが盛り上がっている訳じゃないのよ?」

「安宅君もって事!?」

「そ、そう……言えるわね。」

「ったく!」


律子さんは、壁に背中を付けて、腕を組んだ。

「とにかく、安宅君とは半同棲なし。」

「なしって、言われても。」

「バカね。取材陣に”半同棲はしていません。”って言うのよ。」

「……はい。」

それは、仕方ないわ。

「じゃあ、口裏合わせに、慶人君に電話しておくね。」

私はスマホを取り出した。
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