携帯メールに恋して
携帯電話

携帯電話の購入

春美は、幼稚園の年長の男の子朗(あきら)、夫の仁一との3人暮らしの一見平凡な家庭のように周囲からは思われていたが、結婚生活に疲れを感じていた。

まして、この年の2月に春美は、最愛なる父親を仕事で出かけた先の地震で亡くし、そのショックと家族のトラブルに夫が口を挟み、孤立状態に追い討ちをかけていた。

そのような状況下のとき、春美は携帯電話を量販店で、何気に使い方の説明を聞いていたら衝動買いをしてしまったのである。

それが、春美の運命を大きく左右するとは、思いもよらず、これで、夫ともメール、連絡がつきやすくなると安易な考えしかその時にはなかった。
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