星と太陽に魔法の歌を



気が付けば、もう12月も下旬。相変わらず、俺の頭は深冬のことでいっぱいだ。今日は、終業式の日だ。

美影も辛いはずなのに、皆の前では笑って過ごしている。俺は今日の放課後、教室で美影に「何で、辛いはずなのに笑ってられるの!?」と言った。

美影は俺の言葉を聞いた時、一瞬で美影の笑顔が崩れ、泣き始めた。

「笑わなきゃ、深冬が悲しむかなって、思ったから…深冬は、泣いた、顔を、見たくないって、思って…!」

「…確かにそうかも知れない!でも、無理してまで笑う必要はないでしょ!」

「千晴に僕の何が分かるって言うの…!?」

美影は、俺に抱きついて泣き崩れる。俺は「…ごめん」と謝り、美影と一緒になって泣き崩れた。
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