恋する耳たぶ

「……なにあれ……なにあの……」

脳内で、ついさっき耳元でささやいた匡さんの声がリプレイされ、沸騰しそうになった私は、手近にあったクッション顔を押し当てて叫んだ。

「休みだからって……休みだから……きゃあああああーっ!やだもー!どーしよー!!!!」

好きな人とは会いたいし、一緒にいたい……近づきたい。

私は、耳元で聞こえた、匡さんの甘くささやくような声を思い出して、ぎゅっと強くクッションを抱きしめた。


だから、匡さん。

わたしのこと、少しは好きになってくれてるんじゃないかって。
思ってしまってもいいですか?


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