血で愛してるの文字を書く
_雪乃side
私、村田雪乃は、目の前で驚いた様子でこちらを見つめるクラスメイトを
愛おしく感じていた。
栗原梨花。私の好きな人だ。
彼女自身は私の好意に気付かないどころか、
私の存在自体、把握していたかどうかすら怪しい。
そんな彼女が、私に対して理性を無くし、
誰にも見せないような表情を見せてくれたのだ。
わざと彼女を刺激した甲斐があった。
笑みが抑えれない私に彼女は、
「なんで笑ってんの…」
と問いかける。
その問いに答えることはなく、私はただ、黙って彼女を見つめていた。
< 8 / 30 >

この作品をシェア

pagetop