恋のはじまりは突然に
「じゃあ、明日はお互い休みだからゆっくり出来るな?」
「えっ?あ、そうですね……」

蓮司さんがニヤリと笑えば、私の背中がゾクっと震えた。

ここまで来たらもう逃げられない。私だって子供じゃない。

この後、何が起きるかなんて分かっている。

「シャワーするだろ?」
「は、はい」

ココアを飲み終わった頃、遂にこの時が来たか……と、ゴクリと唾を飲み込んだ。

蓮司さんが浴室に案内してくれて、ドキドキしながらシャワーを浴びる。

浴室にはシャンプーが二種類あったり、身体を洗うタオルが二つあったりと同棲していたのかは分からないけれど、希望ちゃんがここで生活をしていたことに間違いはなくて、何故か分からないけれどチクッと胸が痛くなった。

シャワーを浴びてバスタオルを借りて身体を拭くと、女性モノのパジャマがあり、恐る恐るソレを手に取った。
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