ノンフィクションにご注意を
自分の髪をグシャグシャに掻き乱した右手を、そのまま目の前に移動させた。


さっきまでオレのこの手は、溝渕の頬を撫でていたんだ。


ベッドに倒れ込んでオレを見上げる溝渕に引き寄せられる様に、頬を撫でて、前髪をすいて、耳に触れた。


耳に手が当たった瞬間、アイツリアクションデカくなってたから――――…耳弱いのかな?


「チッ………変な事考えんなオレ」


ゴチッと拳を自分の額に押しつけてから、ベッドに寝転んだ。


もう何度も何度もオレと溝渕は兄妹になるんだ、だから諦めろって自分自身に言い聞かせて来たのに…出来てねぇじゃんか。
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