ノンフィクションにご注意を
自分の恋心と、親父や芙美さんや溝渕の幸せ。


この2つを天秤にかけて後者をとったのは、誰かに強制されたワケでも無い。脅されたワケでも無い。


自分で考えて決めたと言うのに、危うく暴走しかけた己が嫌になる。


「だけどアレは反則だって………」


両手で顔を覆いながら呟いた。


戸惑いの色を浮かべてオレを見上げる大きな目。撫で続けると徐々に赤く色づいていったスベスベの頬。


溝渕はフローラル系のボディーソープ持ち込んで使ってるから、仄かに香って来る花のニオイ。


健全な中3男子を攻撃するには、充分過ぎる破壊力の塊だった。
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